2011-04-24 2011年4月号 会員2欄 「短歌人」詠草 階段の螺旋の先へくだりゆく懐かしき闇の奥の方へと母の踏むミシンを遠く聴いていたあの果てしなく降る雪の夜に爪先はモデラートからアレグロへ加速していくペダルの上を見上げれば真っ直ぐに昇る心地する雪のひた降る空に向かいて節分の翌朝窓を開けやれば敷居の溝に豆つぶれおり制服の二人は歩めり雑踏に半角アキの距離詰めぬまま