2011年6月号 会員2欄

春鮒の三白眼に見抜かれたような気がして歩みをとめる

革命を夢見し男のふるまえる有機農法きゅうりの苦味

早口に死者を数えるキャスターはつゆためらわず大台を超ゆ

配達のバイクに曳かれゆくごとくバスは傾いで右折していく

ガンバローと言う彼の息饐えていて新緑の窓へと顔を背ける

肌色のテープで口を塞がれた郵便受けのうちの暗やみ